学習指導事業を立ち上げるきっかけとなった、大学受験時代の予備校講師に会ってきました。
TAP教育企画では「学習の機会の差の緩和」と「教育の在り方の見直し」の2つを唄っていますが、後者の問題意識は彼から大きな影響を受けています。私は大学受験の浪人経験があります。学習の機会差を感じ、地元を離れ都市部で1年を過ごしました。確かに地域による指導者、指導環境の差は痛感したのですが、それ以上に印象に残っている経験があります。
それは「文化講演会」といったあまり中高生が関心を持たないような様々な職につく社会人(小説家、料理人、芸術家、エッセンシャルワーカー、研究者、政治家、etc…)とのコミュニケーションイベントに、同級生たちが自発的に参加していたことです。
その企画を行っていたのが予備校講師の彼でした。
当時の私を含め、高校までのコミュニティはそういったイベントを冷笑する(ナナメにみる)空気がありました。そんな当時の私には、受験という信念型(目標に対して努力をし信念を持って進む行為)の活動とイベントに参加するような分解型(相手や状況に応じて視点を変え自分なりに考える行為)の活動を両立している同級生の存在は、まるで異文化のようなものでした。
彼らは、受験に限らず、趣味や文化的体験に対しても「自分がどう感じたか」を基準に評価していました。もちろん、世間体や社会通念も意識していたはずですが、「他者の状況を想像しようとする姿勢」と、その上に成り立つ「当事者意識」が、人をこれほど惹きつけるものなのかと感心したことを覚えています。
その後、予備校講師の彼や同級生達とコミュニケーションを重ねると、機会選択の整備と大人が楽しむ姿を見せるといった「環境」の重要性を痛感しました。その頃から競争と感性の両立に焦点を当てられる学習指導環境をいつか自分で作りたいなと考えるようになりました。
そんなことを思い返しながら、待ち合わせたお店で予備校講師の彼とさまざまな話をしました。次回のコラムでは実際の大学入試問題を使いながら、その内容を共有しようと思います。
