学習環境と教養

 
このコラムでは読書などの文化的体験の習慣があり、言葉を大切にして話す人を「教養」のある人と定義しましょう。

こうした「教養」のある大人たちの会話を聞いて育つ子どもは、自然と幅広い言葉や表現を身につけます。そうした子どもたちは、小学校や中学校の教科書で初めて出会う言葉に戸惑うことはほとんどありません。なぜなら、教科書は国の定めた教育指針に従って作られており、その内容は社会における最低限の基準を示すものだからです。

しかし、すべての子どもが理想の環境で育つわけではありません。家庭の事情や周囲の影響によって、読書に親しむ機会が少ない場合もあります。その結果、知らない言葉が多くなり、教科書の内容を理解するのに苦労することもあるでしょう。本を読む習慣がない子どもは、読書の楽しさを知る機会を持たないまま成長してしまうかもしれません。
 

読書習慣を自然に身につけるために

 
では、どうすれば子どもに読書の楽しさを伝えられるのでしょうか。

無理に読ませるのではなく、大人が読書を楽しむ姿を見せることが大切です。例えば、一緒に図書館へ行き、さまざまな種類の本を手に取る。家の中に、絵本や小説、図鑑など、子どもの興味を引きそうな本を置く。そして、大人自身がそれらの本を楽しみ、日常の中で自然に本の話題を取り入れるのです。

本だけではありません。映画を観た後に「どこが面白かった?」「どのシーンが印象に残った?」と話し合うのも良い方法です。大人が日々の出来事に好奇心を持ち、考え、語ることで、子どもも知らず知らずのうちにその姿勢を学んでいきます。最初のうちは、子どもがほとんど何も話さないかもしれません。それでも、大人が楽しんでいる様子を見せることが何より大切なのです。
 

読書文化の「感染」

 
こうした環境の中で育った子どもは、次第に読書を「自分のもの」として捉え始めます。そして、ある日「この本、面白かったよ」「この話、感動した」と自分の言葉で語り出します。やがて、「この本は難しかった」「この本は簡単だった」といった評価の仕方ではなく、「どんなことを感じたか」を話すようになるでしょう。

これこそが、大人の責任の取り方です。子どもに読書の機会を提供し、その価値を自然と伝えること。たとえ幼少期に読書習慣がなかったとしても、10代であれば、それを身につけることは十分に可能です。ただし、時間はかかります。数年単位の粘り強さと、何より大人自身が楽しむ姿勢が求められます。
 

子供に選択肢を与える

 
ここまで述べてきたことを、子どもに強要するのは本末転倒です。大切なのは、読書や文化的な経験を「選択肢」として提示すること。自ら選び取る機会を増やし、自分なりに価値を見出せるようにすることが重要です。

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