英文を読むのに時間がかかるという悩みは、多くの人が抱えるものです。確かに、時間内に文章を読み終えられないという問題の本質は、単純に「経験不足」にあります。英語を速く読めるようになるには、日々たくさんの英文に触れ、慣れることが不可欠です。
しかし、受験生には限られた時間しかありません。単に「たくさん読めばよい」と言うだけでは、試験本番までに十分な速さを身につけることは難しいでしょう。一方で、「短期間で劇的に速読力を向上させる方法がある」といった安易な主張も現実的ではありません。一定の訓練と時間が必要であることは否定できませんが、効率的な学習方法を選ぶことで、限られた期間内でも着実に成長することは可能です。ポイントは「易しい英文を何度も読む」です。
では、「易しい英文をたくさん読むべき」とは具体的にどういうことでしょうか。ここでいう「易しい」とは、単に単語や文法が簡単であるという意味ではありません。内容がわかりやすく、知らない単語があっても文脈で理解できるような文章のことを指します。
例えば、ある英語の歌を考えてみましょう。
The Beatlesのyellow submarineです。比較的ゆっくりとしたテンポの曲です。子ども向けの詩には、受験生にとって馴染みのない単語が含まれることもあります。しかし、絵や音楽とともに繰り返し触れることで、意味を直感的に理解できるようになります。これは、言語習得において非常に重要なポイントです。
人によって「易しい」と感じる文章は異なります。幼い頃から幅広い読書経験を持つ人にとっては、難解な哲学書ですら「わかりやすい」と感じることがある一方で、小学校の国語の教科書に載っているような物語が印象に残る人もいます。同じ内容でも、表現方法や文脈によって、理解のしやすさは大きく変わります。
高校・大学入試の英文も、出題者側は「このレベルの文章は問題なく読めるはず」と考えて作成しています。そのため、「読むのが遅い」と感じる受験生が多い現状は、ある意味で意外なことかもしれません。しかし、これには単なる個人の読解力の問題だけでなく、現代までの英語教育の影響も関係しています。
実際、多くの学生は「英語の理解とは何か」という点について、誤ったイメージを持ったまま学習してきています。これは、幼少期からの学習環境や教育の指導方針の影響によるものが大きく、本人の努力不足とは必ずしも言えません。
では、なぜそのようなズレが生じるのか。それについては、次回さらに掘り下げて考えてみたいと思います。
